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- ネイティブの英語発音をまねる
今回は「日本語に聴こえる英語や英語に聴こえる日本語」についてお話しちゃいます。
日本人の多くが、初めて生の英語と遭遇するのは、海外空港の入国審査が圧倒的なのではないでしょうか?友人に極度の「英語恐怖症」がいるのですが、彼は一人で初めて海外の入国審査を通った時、緊張し過ぎて「記憶がない」と証言しています。そこまで緊張しなくてもいいのに…と思いながらも、確かに入国審査には独特の緊張感があり、英語が聴きとりづらくなるのも事実。このような背景から
「観光で入国審査を通る場合、『斎藤寝具店です』と答えなさい!」
とアドバイスするのが、かなり有名な話だそうです。
なぜ「斎藤寝具店です」?そう思った方のために説明すると、入国審査では必ず
「滞在目的=purpose of staying」
と滞在期間を訊かれます。観光の場合は sightseeing (サイトシーイング)と答えればいいのですが、これがなかなかわかってもらえない場合が多い。そこで英語だと言うのを忘れ無心に日本語で、
「斎藤寝具店です」
と答えると、ネイティブには
sightseeing 10 days
と聞こえるので無事通してもらえるらしい?です。(9日間ならどうするんだろう?)半身半疑だったモモスケ、早速ネイティブの友人に試してみました。
すると彼曰く
「いきなり斎藤寝具店です、とだけ言われたら、わからないかもしれないが、状況が状況だから確かにわかる」と言っていました。恐るべき斎藤寝具店!実はこのような例は他にも沢山あります。次の日本語はどれもネイティブにはある英語のフレーズに聞こえると言われているものです。有名どころでは、
・ ほった芋いじるな= What time is it?(今、何時ですか?)
・ 河童亭= a cup of tea(一杯のお茶)
なんてものから、
・ ハマチです= How much is this?(これ、いくらですか?)
・ 揚げ豆腐= I get off(ここで降ります)
なかには、
・ アルバイト= I'll buy it(それ買います)
・ どういたしまして= Don't touch my mustache
なんてのもあります。
また、こんな話もあります。
とある外国人が、日本の横断道路を赤で渡ってしまっていたところ、車に轢かれそうになり見ていた日本人が「危ない!」と叫んだところ、
「Have an eye!(気をつけて)」
と聞こえ危機一髪助かったとか…。
これらの日本語を伝えて、ネイティブに意味が通じるか実験していた某番組がありました。結果は、一回ですんなりという訳にはいかなくとも、数回しつこく続ければ、だいたい理解してもらえていました。
英語と日本語の発音は全然違う!という印象があるから意外な気がしますね。
モモスケが不思議に、そして興味深く思うのは「英語だ!」と意識して無理して「英語風」に発音しようとするとなかなか通じないのに、「日本語」をそのまま発音して、英語として通じてしまうことがあるという事実です。
なんでこんなことが起こるのでしょう?
私たちの多くは、アルファベットの読み書きから英語に入ります。だから英語を発音しようとする時も「アルファベットで綴られた単語」が頭にこびりつきがちです。けれどご存知のとおり、アルファベットのスペリングは必ずしも実際の発音と一致しません。Sightseeing にしても、ghは殆ど発音されません。ネイティブの中でも学校教育を受けていない人たちは良く綴り間違いをします。彼らは自分達の発音をそのままアルファベットにしてしまうのですが、書き言葉には発音を無視した書き言葉としてのルールがあります。だから「発音どおり書いても綴りが正しくない」ということが起こりえるわけです。
「書くときにどう綴られるか」なんて会話では無関係なのですから、無心にネイティブの「音」だけを真似ればいいのに、どこかで「書き英語」のスペリングに引きずられてしまい、その結果間違った発音になってしまうのも事実。ならば、いっそ英語だってこと自体を忘れ、ただ「似た音」を発音すればいい。それが「斎藤寝具店の謎」(別に謎じゃないですが…)の答えなのです。だってこの場合「斎藤寝具店です」も「Sightseeing ten days」も、会話において
同じ音=意味
になるのだから、話者がどっちを頭に思い浮かべているかは、この際どうでもいいのです。スペルなんか忘れて、ただ「正しい音」だけを無心に真似すること!それが会話において大切なんだと「斎藤寝具店です」は教えてくれます。
実際の会話では「書き言葉」にひきずられないこと!
そんなことを頭の片隅においておくと、英会話も少し違ってくると思います。