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- LとRの発音は気にしなくてよい
英語と発音、英語を学び始めた時から、英語の発音に頭を悩まされてきた方も多いと思います。
今回はそんな英語の発音のお話し。
今からだいぶ前になりますが、テレビの英会話番組を見ていた時のことです。
番組の中で、こんなミニコント(?)らしきものがありました。
その1)
日本人観光客がアメリカのレストランに入り、「ライスとフライドポテトをください」と注文します。運ばれてきたお皿の上を見ると、そこにはなんとシラミとハエが乗っています。
その2)
タクシーでホテルに帰ろうとする日本人観光客。ある十字路にさしかかり、「右に曲がってください」と運転手に言うと、運転手は道を曲がる代わりに、車内のライトを点けてしまいます。
この2つのジョークはよく使われるのでご存知の方も多いかと思います。
関東学院大学の御園先生も講義の中でお話しされていました。
その1)のほうは Rice (ご飯)と Fry (フライドポテト) を注文したつもりが、[ r ]の音を正しく発音しなかった為に、 Lice (シラミ)と Fly (ハエ)が出てきてしまったというオチ。
その2)は Please turn right. (右に曲がってください)と頼んだつもりが
Please turn the light. (ライトを点けてください)と言ったのだと思われてしまったというジョークです。
[ r ]と[ l ]の発音の違いや、[ s ]と[ th ]の発音の違いが、英語を学ぶ日本人には大きな難点だとは以前から聞いていましたが、まだ英語が上手に話せなかった当時のモモスケは
英語って怖いなあ…。と、しみじみ感じたのをよく覚えています。
だってひとつのアルファベットを正しく発音しなかっただけで、ディナーに虫が出てくるわ、タクシーは正しい方向に走ってくれないわでは、正直モモスケ、英語無理かも(涙)と思いました。
けれども今あらためて、このエピソードを思い出すと、そんなに[ r ]と[ l ]の違いや、[ s ]と[ th ]の違いに過剰に怯える必要もなかったのになあと思います。
別にモモスケがバージョンアップし、[ r ]と[ l ]の発音を完璧にマスターしたからではありません。今でも正直、これらを「完璧」に発音できるか?と問われたら、ネイティヴから見れば勿論完璧とは言えないでしょうね。
では何故【[ r ]と[ l ]恐怖症】から逃れることができたのか?それは御園先生の講習ビデオにもある通り、「レストランで rice を完璧に発音できなくても、シラミはお皿に盛られてこない」ということがわかったからです。(当たり前ですが)
確かに[ r ]と[ l ]もしくは[ s ]と[ th ]の違いで、全く意味が異なる英単語はたくさんあります。
例えば
sink (沈む) と think (考える)
right (正しい) と light (灯り)
rock (岩) と lock (鍵)
road (道路) と load (荷物)
など、数え上げればキリがありません。けれど、これらの発音を間違えたところで、あのテレビ番組のような悲惨な事態に陥ることはまずないはずです。
会話というものには、常に脈絡や流れというものがあります。レストランで誤って「lice ください」と言ってしまったところで、ウェイターさんは「ああ、rice のことだな」とわかってくれます。
I think… (私は…と思います)を I sink… I sink… と言ったところで、「私は沈みます…私は沈みます…」と言っているんだな~と思う人はいないはずです。(坂上二郎さんの名ギャグ 飛びます!飛びます!に対抗しているなら別ですが。)
日本語だって [kikai](キカイ)と発音したのに対し、機会 なのか 機械 なのか はたまた奇怪 なのかは、文脈での判断ですよね?(むしろイントネーションだけで判断する日本語の方がもっと難しいかも。いや…機会と機械は同じイントネーションだから、まさしく文脈判断のみ?)
このように会話の流れから意味が明らかなのに、発音の違いをつっこんでくるのは、英語の先生か、よっぽど意地悪な人だけでしょう。
もちろん誤った発音をしているということは認識するべきですし、正しい発音を学ぼうという気持ちは大切です。けれど[ r ]や[ th ]の発音を完璧にしてからじゃないと、話したくない!恥ずかしい!などという考えはまったくナンセンスです。
多少のミスはありながらもコミュニケーションできる!
その事実にまず気づいて、そしてあとは実践でより正しい発音や言い回しを覚えていけばいいのです。
通じりゃええやん!会話やし!(←ちょっとひさしぶり)
この合言葉を改めて胸に、この秋はどんどん英語を上達させちゃいましょう!
※関東学院大学教授の御園先生は、まさに今日の話題(英語音声学といいます)の第一人者です。ご関心のある方はDVDをご覧下さい。