英会話上達のコツ

2003/03/05
英語の達人紹介/海外経験不要

 

「あなたがやってきた英語の勉強とは具体的には何ですか?」

 

殆どの方の答えが、教科書を読んで訳すこと!ではないでしょうか? それって英語の勉強って言えるのでしょうか?なんてことを前回のメルマガで問題提起した矢先、全く逆の答えをされた英語の達人に巡り合いました。実は、次号(8号)でご紹介しようと大雨の降る中、英語の達人のもとにインタビューに行ってきたのですが、この達人のご意見があまりにも今号のテーマにピッタリだったので、急遽みなさんにご紹介させていただこうと思い立ちました。

 

ということで今回は1号早めたインタビュー編です。今後もどんどん達人の方たちの声を皆さんにお届けしたいと思います。

 

◆今回の達人は特殊機械を取り扱う大手企業にお勤めの佐伯さんです。

 

モモスケ)こんにちは。本日はよろしくお願いします。

佐伯さん)こちらこそ!

 

モ)早速ですが佐伯さんはどのような形で英語を使われるのですが?

 

佐)海外とのコレポン(注:correspondence=手紙のやり取り)が多いですね。アメリカやイギリスを中心にE-Mailでやり取りをしています。最近では韓国・台湾・中国ともコレポンしてますが、公用語というところで英語を使っています。

 

モ)カッコいいですね!国際派ビジネスマンっていう印象を受けます。

 

 

佐)いえいえ、格好良くなんか無いですって!(笑) 最近は商売も楽ではないですから、通訳を使う経費も削減され自分でやらないとならないことが増えただけです。E-Mailが普及して、時差を気にせずやり取りできるようになり、時間的には随分と助かっています。

 

モ)というとメールでの英文作成がほとんどで、英語を話す機会は無いのでしょうか?

 

佐)とんでもない!緊急事態が起こるたびにいつでも国際電話です。私の業界は毎日が緊急事態ですから(笑)、英語での会話も多いんです。日本のお客さんから『機械が故障して動かない!』という電話が入ります。私はエンジニアではないものですから細かな対応ができない。ならばアメリカ人のエンジニアに直接聞いちゃえ!とばかりに国際電話をかけます。電話を2台並べ、1台は日本のお客さん、もう1台はアメリカ人のエンジニアにつなぎます。日本のお客さんの話を通訳し、アメリカ人に伝え、アメリカ人エンジニアの意見を通訳し日本のお客さんに伝えたりしています。

 

 

モ)…何だか凄い状況ですね。英語はいつ頃から、どちらで勉強されたのですか?

 

佐)日本です。公立の中学で勉強しました。(笑) 恥ずかしながら1回も日本の外に出たことが無いんですよ!

 

モ)えっ?そうなんですか?意外です…

 

佐)アメリカやイギリスの文化を目で見ることはできませんが、英語を学ぶだけなら留学は必要ありませんから!

 

モ)それはそうですね…。英会話学校には何年ほど通われたのですか?

 

佐)習い事が嫌いなので、英会話学校へは行ったことありません。

 

モ)ネイティヴの知り合いが近くに住んでいるとか?

 

佐)いません。ESS(注:English Speaking Societyの略。大学生などが英語学習を目的に英語による観光ガイドや弁論大会などを行う活動) にも入ったことありませんよ!

 

モ)それでは一体どこで英語を学ばれたのですか?

 

佐)ですから中学校です!(笑) 中学入学と同時にNHKのラジオ講座『基礎英語』を毎日欠かさず聴き続けました。今みたいにたくさんの教材がある時代ではなく、DVDもCDさえも無い時代でしたから、とにかく毎日ラジオ講座を聴いたんです。中学1年生にとっては基礎英語のレベルが高くて、何を言っているのか皆目検討もつかないことも多かったのですが、それでも聴き続けました。私の勉強は英語を聴くことでした。

 

モ)ワタシも耳からのインプットこそが英語を話せるようになる早道だと、メルマガでお伝えしてきているのですが、まさにわが意を得たりという印象です!

 

佐)ラジオにかじりついて聞こえてくる英語をとにかく聴き続ける。そしてそれを声に出して言ってみる。これこそが一番早い上達法だと私は思います。それに5文型を覚えたり単語を必死で暗記するよりも、ネイティヴの声に耳を傾け、聞こえたとおりに話してみることのほうがずっと面白いですよ!

 

 

モ)つまり佐伯さんは留学経験も無いし、英会話学校やネイティヴの知人もいるわけではない。中学の普通の授業とラジオ講座で今の実力を身につけられたということですね?

 

佐)そうです。だって私がアメリカ人と話す際の英語なんて、中学生レベルの文法で充分です!関係代名詞と現在完了まで理解できれば話せない内容なんてないんじゃないでしょうか?アメリカで弁護士になるなら別ですが。

 

モ)そうですね!中学で習う基本で大体は済んでしまいます。ところでワタシのメルマガでは【訳読】こそが英語ができない原因だと書いているのですが。

 

佐)そもそも英語を日本語に訳すことが勉強だと思うことが誤りですよ。そんなの何の役にも立ちません。日本語に訳さなくても頭の中に意味が落ちてくればいいわけです。

 

モ)意味が落ちる…ですか?

 

佐)日本語に翻訳なんかしなくても意味がわかれば事足りるわけです。

 

モ)初心者の方が英語を上達するにはどのようにすればいいとお考えですか?

 

佐)繰り返しになりますが、中学生レベルの内容で充分ですから、まずはネイティヴの声をひたすら聴くことです。さらに大事なのは聴こえた通りに口に出してみることです。これを繰り返せば大概のことは話せるようになると思いますよ。海外に行った事の無い私ですら英語でのやり取りができるのですから、英語習得なんてそれほど特別な勉強は必要ないと思いますよ!

 

モ)本日は貴重な時間をありがとうございました。

 

佐)こちらこそありがとうございました。

 

 

■インタビューを終えて

 

なんだかモモスケが当メルマガでお伝えし続けてきたことを、そのままお話し頂いたかのようなインタビューでした。驚きましたが、それ以上にモモスケがメルマガでお伝えしてきた英会話上達のノウハウが証明されたと、自信を深めたインタビューとなりました。中学時代のラジオ講座と学校での勉強だけで、英語力を培われた佐伯さん。その秘訣はやはり【耳】にあることは間違いありません。中学生レベルの英語を【耳】から入力することで、佐伯さんのような英語力を皆様も身につけてください。

 

それでは次号でお会いできることを楽しみにしております。

英会話上達研究会 モモスケ (^^)d

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