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- リスニングのコツ【3】音の連続
英語の子音の連続
言語音声は「幻覚」だと言われることがあります。書かれた文字には、語と語の境に空白がありますが、話し言葉の音声は、継ぎ目なくつながっています。しかし、語と語の境界線と思える音のところで、我々は一定の区切りをつけることができるのです。語と語の間に短い沈黙があるわけではないのに、まるでそこが区切れているかのように錯覚をする。まさに「幻覚」なのです。
新幹線で、We will soon make a brief stop at Shin Yokohama.と英語でアナウンスされますが、「シン横浜」ではなく、「チン横浜」と聴こえます。これは、atの[]とShinの[]が連なって[](チッ)となってしまった結果です。チャンスがあれば実際にお確かめ下さい。
例を見てみましょう。
(例-1) ...not sightseeing
not の[]とsight-の[]が連なり[](ツ)と聴こえます。それだけではなく、sightseeingの語中の下線部分でも同様の現象が起こり、全体としてこの語は「ツァイツィーイング」のように発音されます。
(例-2) your advice about...
your advice aboutの下線部分が切れ目なく連なり、「ラドバイサバウト」のように聴こえます。
(例-3) picking it / putting it
picking itは「ピキニット」、putting itは「プリンギット」のように聴こえて来ます。なお、pickingでは、語末のng音である[]が[]に変化しているため「ピキニット」となります。この種の[]→[]の変化は、語末の-ing形で生じ、某ファーストフードのコマーシャルで、I’m loving it.の下線部分を「ラビニット」発音しているのが一例です。
[]+[]→[](チッ)、[]+[]→[](ツ)と聴こえる場合、「語をまたぐ環境」のみならず、「語の内部」でもこうした現象が生じる点に注意して下さい。
一方、cat is「キャリズ」、putting it「プリンギット」、get out of「ゲッラウラヴ」、turn it off「ターニロフ」など、「子音+母音が語を越えて切れ目なく密接に連結する」場合にも要注意です。
誰一人いない深い森の中で1本の木が倒れた時、音はするのかしないのか。いささか哲学の命題じみていますが、語と語の境界は、それを聴く、あるいは、聴こうとする人がいなければ区切りはないのです。
- 英会話上達研究会
- 様々な英会話教材、英会話スクール、書籍・参考書。どの学習法が効果的でどの方法が遠回りなのか、もはや個人の英語学習者には判断ができないほどの学習法が氾濫しています。これを私たちの主要構成メンバーである大学教授・ネイティヴ米講師陣が中心となり、本当に価値のある効果的な学習法のみを見極め、" 真面目な努力家" であるにも関わらず、勉強の方向性を間違えたがために今まで英語で苦労してきた英語学習者の方に、正しい英会話の上達方法の情報提供を行なっています。