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- リスニングのコツ【2】同化・脱落・添加
英語の同化・脱落・添加とは?
面倒な伝達方法と楽な伝達方法があって、そのどちらでもコミュニケーションを行なう上で支障が生じないとすれば、楽な手段を選ぶのが世の常ではないでしょうか。
今回紹介する3つの音声現象は、乱暴でいい加減なものでは決してなく、まさに発音上の省エネであり、ごく自然な発音様式なのです。これも「言語の経済性の法則」の一つと言えます。
英語の<同化>
隣り合う音がそれぞれお互いに影響を与えることによって、別の音に変化する現象です。Did you…? の下線部分で、d音とy音が一つになって「ヂュッ」[]と聴こえる場合が多いのが一例です。つまり、1+1=2とはならないのが「同化」です。
英語の<脱落>
[]は呼気が一旦せき止められ、圧力が高まった後に一気に破裂・開放されて発音される子音です。語末では、これらの音はしばしば脱落するため、例えばplay/playedなど、現在形か過去形(あるいは過去分詞形)かの区別がとりわけ困難となります。
英語の<添加>
ある音から次の音へと移行する際に、本来は存在しない第3の音が、その2つの音の中間に新たに入り込んで来ることがあります。これを「添加」と言います。例えば、prince「王子」は「印刷物」の複数形であるprintsと同音となり、また、danceが「ダンツ」と聴こえるため、注意が必要です。
具体例で理解しよう!
<同化の例> let you next year
t音+ y音が「チッ」([])に変化しています。このため、next yearは「ネクスチィァ」と聴こえる場合がよくあります。
<脱落の例> send people
sendの語末のd音が脱落するため、send/sent(現在形と過去形)の区別は音声だけでは不可能です。文脈や構文情報から判断せざるを得なくなります。
<添加の例> concert
「n音とs音」の中間にt音が介入し、[]→[]となる場合がよくあります。このため、concertは「カンツァート」のように聴こえて来ます。
資格試験の問題でも、音声は極めて注意深く慎重に発音されています。しかし、今回紹介した各現象を随所に確認することができるのは、同化・脱落・添加が自動的かつ無意識に行なわれるものだからに他なりません。
リスニングの観点から言えば、同化・添加による「変身する音」、そしてやや哲学的とも言えますが、脱落によって「聴こえて来ない音、ないしは、一瞬生じる無音」を聴き取る能力が大いに求められることになります。英語音に対する「守備範囲」をより広げておくようにしたいものです。
他方、発音(pronunciation「プロナンツィエィシュン」)の観点から言えば、同化・脱落・添加を上手に利用すれば一層英語らしく聴こえるのは事実ですが、あまり意識過剰になる必要はなかろうと思います。
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