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- 使える英語表現[Eatの過去形]
- 言語学博士
- 関東学院大学
問題 ate をどのように発音しますか?
「食べる」の eat ですが、この過去形 ate は皆さんどう発音しますか?
日本の学校では、ふつう[eit]とおそわり、そのように発音する人が多いはずです。ところがです。イギリスではこれを[et](エッ(ト))と言う人のほうが多いのです。
えっ、とお思いでしょう。有名な英語発音辞典(Longman Pronunciation Dictioanry, 3版,Wells, 2008)によれば、[et](エッ(ト))と発音する人が55%、[eit](エイ(ト))と発音する人が45%だそうです。意外でしょ。
では問題です。
次の各項目の内容が正しければ○を、間違っていれば×をつけて下さい。
●1 caught (catchの過去形)とcotの発音は同じである。
●2 exitはイギリスでは[eksit]と発音するほうが[egzit]よりも多い。
●3 princessの強いアクセントは第1音節にある。
◆解説と正解◆
1)
アメリカ英語に限って言えば、○です。この2つの発音は現在では同じです。つまり、両方とも「カッ(ト)」です。かっとなって、そんなことはあるか、とおっしゃる方は、上記の辞書を含めて、発音辞典で確かめてください。同じになっています。試験問題作成時にはお気をつけめされい。なお、イギリス英語では、皆さんの普通の発音のように、caughtは「コー(ト)」、cotは「コッ(ト)」です。
2)
○です。「出口」(exit)ですが、日本では[egzit](エグズイッ(ト))のように[zi]と濁って発音する人が多いかと思います。ですが、イギリスでは、濁らずに[si]にして[eksit](エクスイッ(ト)と発音する人が55%で、濁るほうは45%です。一方、アメリカでは、逆で、濁るほうの[egzit](エグズイッ(ト))が52%で、濁らないほうが48%だそうです。これも意外でしょ。
3)
これは○であり、かつ、×でもあります。どちらもありです。上記の発音辞典によると、イギリスでは、後、つまり、第2音節に強いアクセントを置く人が60%、前に強いアクセントを置く人が40%です。ただし、若者ほど前にアクセントを置く傾向があるようです。
簡単な語でも発音となると案外自信のないことがあります。Princessは結局、アクセントの位置は前でも後でもいいようです。そう言えば、思い出したことがあります。イギリスのダイアナ妃が1997年、パリで自動車事故で亡くなった時に私はイギリスにいました。この事故はテレビ、ラジオで大きく取り上げられていました。
TVアナウンサーのprincessのアクセントで、the People’s Princessと言うときは、後を強く、また、the Princess of Walesと言うときは前を強めていたのを覚えています。アクセントの位置がどちらでもいい場合は英語の構文によることがあるのかもしれません。
- 御園 和夫
- 博士(言語学)
英語音声学、英語学専攻。英国レディング大学にて英語教授法研修、UCLA校客員研究員、クイーンズランド大学大学院博士後期課程修了。関東学院大学名誉教授。日本英語音声学会常任理事、英語面白楽会会長。テレビ・ラジオで活躍し「百万人の英語」や「旺文社大学受験ラジオ講座」など数々の英語番組を担当。著書:『コミュニケーション主体の英語音声学』(和広出版)、『必携 英語発音指導マニュアル』編集主幹(北星堂書店)他多数。