英語は道具、間違えても通じりゃいいじゃん！

なぜ恥ずかしいの？

前回のブログで「英語を話すことの最大の敵は周囲の目だ！」という記事を書きました。

・自分の英語力ではなく、周囲の人との英語力の高低で恥かしいか恥かしくないかが決まる。
・英会話スクールでプライベートレッスンを受けたのは、他の生徒の前で英語を話したくないから。

なぜこんなに恥ずかしいのでしょうか？
ベストセラー『ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本』の著者：向山淳子先生が、以前とある雑誌に寄稿されていたのを読んだことがあります。

日本人は義務教育の中学から英語を勉強する。つまり日本人にとって英語は必須科目であって、誰でもある程度はできて当たり前！という感じがある。英語ができないことは勉強ができないことにも相通ずる。だから間違えることを恥ずかしく感じる。

細かな部分まで覚えていないのですが、たしかこのような主旨のことを書いておられたと記憶しています。

そう！日本人にとって英語は一般教養で、できて当たり前！何しろ義務教育で勉強してきたんだから。だから間違うことに対する恥かしさがあるんです！

韓国語やフランス語ならできない理由が立つでしょ？『韓国語なんて学校で習ってないよ…』『俺さ、第二外国語ドイツ語だからフランス語はチョット…』。でも英語は言い訳できない。得意不得意はあっても、勉強してきたという実績があるから言い訳ができないんです。

もし間違えようものなら『あいつ三単現のSも知らないんだ！』と思われる恥ずかしさ！間違うことに対する恐怖心が生まれちゃいます。

しかもこの恥ずかしさ、恐怖心は女性よりも男性のほうが強いという意見もあるんです。

知り合いの英語教育関係者は、

男性は女性の前では常に格好よく見せたいもの。そして日本人にとって英語は格好いいものの代名詞。だから間違えてはいけない、格好悪い姿を女性の前で見せてはいけないという思いが強い。

男性は格好悪さを見せたくないため、格好悪さを露呈するシチュエーション＝英語を間違える状況を極力作りたがらない。だから仕事などで英語を使う状況にせまられるまで英語を積極的に学ぶことが少ない。

一方女性は格好いい悪いではなく、英語を話せること自体に憧れを抱く人が多い。だから仕事に使う使わないに関係なく英語を学び始める人が多い。英会話スクールの男女の年齢を見ると、圧倒的に女性は若く男性は30歳以上が多い。このことからも英語に対する男女の考え方の差は明らかだ。

あくまで個人の意見に過ぎませんが、なるほどそういう見方もあるかもです。

さらに恥かしさの要因は他にもありそうです。

中学時代、僕は英語の授業で先生に指され英語の教科書を読むことほど嫌なことはなかったんです。いえ英語を読むこと自体は嫌いじゃないんです。嫌いなのはクラスメートの冷やかし！モモスケが授業で教わった【下唇をちょっと噛む】とか【舌を噛み息を吐き出す】とか英語独特の発音をしようものなら、

『モモスケ！気取ってんじゃねえぞぉぉぉ!』

という容赦のない冷やかしの嵐を浴びせられました。冷やかしを避けるために、いつしか僕の中でネイティブを真似た発音は【恥かしいこと】に変わっていったんです。

英語は道具、間違えても通じりゃいいじゃん！

そういえばグアムにあるウェスティンホテルのレストランで、これぞ potential というシーンに出会ったことがあります。飲み物をオーダーをしようとしている隣の席のカップルが、注文するときの英語表現を一生懸命確認していたんです。

◆　I want to drink～って言えば通じるよね？
◇　えっ？そうなの？
◆　じゃあ何ていうの？
◇　あたしは　I’d like to～だと思うよ。そう習ったもん。
◆　じゃあ君がオーダーしてよ…

その横で日本人のオバサン軍団が、

ヘーイ！ビール！ビール！
ツープリーズ！OK？

どちらがコミュニケーション能力が高いかは、言わずと知れていますね～。

僕たちは英語を学問として捉えているところがあります。でも英語はあくまでコミュニケーションの手段のひとつ、つまりはツールです。自分の意思を相手に伝え、相手の意思を理解できればコミュニケーションが成立します。勿論正しい文法で話すほうが良いに決まっていますが、まずは恥ずかしさをこらえ、自分の意思を伝える第一歩を踏み出す度胸が必要なのではないでしょうか。

間違った文法で話すことよりも、言いたいことを言わずに我慢するほうが、コミュニケーション上ではずっと残念なことではないかと思います。