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- 英文法-英語の否定文-2
よく日本人は『No!と言えない』などと言われてましたよね?まあ個人差が大きいとはいえ、多かれ少なかれその傾向はあるのかもしれません。…というのも、またもやモモスケの友人、日本語勉強オタクのアメリカ人と話していたときのことです。そうです!第66号でお話しした【大人気ない】を【大人気】と混同した、例のアメリカ人との会話で、小さな発見がありました!
飲み会の待ち合わせ場所での出来事です。モモスケが『彼女、今日来ないと思うよ…』と日本語で発言したのを聴いたアメリカ人の友達は、『モモスケ!その日本語は間違った使い方じゃないの?』と尋ねてきたのです。またしても日本語ネイティヴのモモスケ様に向かって『その日本語は間違っている!』と指摘する彼…。つくづくたいした野郎です。
日本語勉強オタク君の考えによれば、この場合の正しい表現は
『彼女、今日来るとは思わないよ…』
ではないかというのです。
『ぷはっ!そんなの変だよ!』と、日本人の威信をかけて反論するモモスケ。
『だって英語では I don't think she will come.っていうぜ!』と意地になる彼。『英語ではどうだか知らないけど、とにかく日本語では…』と言いかけた時、ふと思いつきました。なるほど!もしかしたらこれが日本人が『No!と言えない』と言われている一例なのかもしれません。
というのも多くの場合日本語では『私は~と思う。』というように、肯定文での表現を使います。しかし
◆私は彼ができると思いません。(主節が否定文)
と否定文を使うと、なんだか『彼』を低く見たり非難しているようなニュアンスが出てきます。
◇私は彼ができないと思います。(主節が肯定文)
このほうがスッキリします。(よね?)つまり否定する部分は自分ではなく、他人であるという発想で、常に自分は『Yes』を使いたいのかもしれません。こんな事からも、なるべく自分の意見に『No』を言わない風潮が日本人にはあるのかもしれない!などと思ったりしたわけです。
で、英語はというと気になるのがアメリカ人の友達のセリフ、
『だって英語では I don't think she will come.っていうぜ!』です。
◇I think she won't come. (主節が肯定分) ※ won't = will not
◆I don't think she will come.(主節が否定文)
どっちがナチュラルかを改めて尋ねたところ、絶対に
◆I don't think she will come.だと言うのです。
◇I think she won't come. は、なんだか彼女を非難しているようだとのこと。
※accusation(非難・とがめ)という言い方をしていました。
面白いですね!日本語と全く逆です。日本語的に ◇I think she won't come. というと、その彼女と仲が悪いと勘違いされるかもよ!とまで言ってました。
近頃たまたま読んでいたディビット・セイン著の『ニッポン人のヘンな英語』にも同様の記事がありましたので、ご参考までに抜粋して紹介させていただきますね。
<ここから抜粋>
1)I think you didn't give me the right change.
2) I don't think you gave me the right change.
1)は「お釣りはちゃんと渡したと思いますが」と主張する相手に対して、「いや、君はお釣りをちゃんと渡していないと思うよ」と怒りを込めて言っている状況。2)は「お釣りをちゃんといただいていないような気がしますが」という感じで、相手に気を使いながら、こちらの気持ちを伝えている状況。
<ここまで抜粋> ※日本文芸社『ニッポン人のヘンな英語』著者:ディビット・セイン
なるほど…怒りまで含まれちゃうのですねぇ。
日本語勉強オタク君によれば、she wonn't come と言うと、彼女の行動に not を入れることになるので、それが表現がキツクなる理由とのこと。なるほど、たしかにそう言われると頷けます。同じような英語と日本語の表現でも、どこに否定を入れるかで、ずいぶんとニュアンスが変わるものなんですねぇ。