英会話上達のコツ

2004/10/22
英語が話せると自信を持つこと!

さて今回は英語の達人インタヴューの第3回をお届けします。

 

今回の英語の達人インタヴューは、大人気メルマガ 【経営戦略考-日経記事から毎日学ぶ経営戦略の原理原則】 の発行者、森英樹先生です。

 

森先生は、普段は超人気メルマガの発行者でもあり、経営コンサルタントとして活躍されていらっしゃるのですが、実は相当な英語の使い手とのこと。ならばと早速、森先生に『初心者が短期間で英語を上達させるコツは?』を中心にお話を伺ってきました。今回も必読!最後まで貴重な発言の連続ですよ~っ!

 

モモスケ)

こんばんは。どうぞ宜しくお願いします!

 

森先生) 

こちらこそ、わざわざお越しいただきありがとうございます。

 

モ)
早速ですが、森先生は英語が相当堪能と伺っております。そもそも英語はどちらで身につけられたのですか?

 

森)
父が外資系の企業に勤務していて、英語を結構使っていたんですね。その影響で英語に興味を持ちました。子供の頃は、遊び半分で英語を教えてもらったのですが「お前は発音がいい!」なんて言われて嬉しかったことを覚えていますよ。

 

 

モ)
へ~!となるとやっぱり子供の頃から英語ができたんですね?

 

森)
いえいえ、とんでもない!興味があっただけですよ。英語を修得することを意識し始めたのは高校の頃で、大学は上智の英語学科に進みました。クラスの2~3割は帰国子女だったように記憶していて、彼らとの英語力の差には愕然としました。それで実は学校が嫌いになり、あまり真面目に授業にも出席しなかったです。

 

 

森)
大学在学中にアメリカに本部を持つ某宗教団体に入信し、大学卒業後はその教団の宣教師となって1年半の活動に従事しました。(今はもう、その教団に籍はありませんが)その時ですね、本当に英語を学んだのは。日本国内での活動でしたが、20歳くらいのアメリカ人3人と一緒のアパート暮らし。本当に生きた英語を学んだのは、その時だったと思います。

 

モ)
なるほど…国内にいながら留学経験をしたようなものなのですね。やっぱり留学しないと英語力は身につかないのでしょうか?

 

森)
そんなことはありません。留学しても身につかない人も多いものです。

 

モ)
具体的にはどのような勉強をされたのですか?

 

森)
中学・高校は普通の公立学校でしたが、定期試験ではいつも、教科書を丸暗記で臨みました。教科書からしか出題されないことがわかっていましたので。完全に暗記すれば、100点が取れます。もっともどうしても小さなミスがあったりして、95点とか97点とかが多かったのですが。今振り返ると、この丸暗記が、英語の語感を身につけるのに非常に役立ったと思います。正しい英語かどうか、直感的に判別する力がついたように思います。学校英語で習う単語や文法で、基礎力をつけることができたわけです。

 

モ)
基本構文は中学・高校レベルで充分って言いますものね~。でも会話力は暗記だけではなかなか身につかないのではないですか?

 

森)
会話については、とにかく慣れることですね。そして、恥ずかしがらないでどんどんしゃべること。宣教師時代や英語研修会社時代は、恥ずかしくて黙っていたら、何も仕事が進まないわけです。間違っていようと何だろうと、とにかくしゃべる、という根性が身に付いたのがよかったです。日本人が英語ができないというのは謙遜であって、間違ってでも何ででも構わずトライすれば、そこそこ話せるものだと思いますよ。

 

モ)
なぜか英語で間違うことは許されないと誤解している人って多いです。日本語だって正しく話せないのに…。(笑)ところで森先生は、ご自身の英語力を活かし英会話教材を開発されたこともあるとのことですが?

 

森)
実は英語力を買われ、英語の研修会社に入社することになったのです。そこでは教材開発に携わりましたよ。一番印象に残っているのは、大学を卒業し企業に入社するのを待つ、いわゆる「内定者」向けの英語通信教育教材です。

 

モ)
その教材のポイントはどのようなものだったのですか?

 

森)
大学までで習った英語と、実際の英会話の違いは何かを分析しました。結論は要するに、大学までの教育では「音」の英語に慣れていないということです。リスニング力を鍛えれば、「学校英語」と「英会話」の橋渡しができる、と考えました。ですのでリスニング中心の教材、まさにこちらの英会話上達研究会さんの教材と同じコンセプトで開発をしました。

 

モ)
おお!やった!また賛同者発見という感じで、なんだか嬉しいですね♪

 

 

森)
ただ流れている英語を聴いただけでは、理解できないのですが、相手が何について話そうとしているかがわかっていると、英語はかなり理解できるものだということにも気づきました。ですので、今から何についての英語が話される、という背景を日本語で説明した上で、英語の音声を流す、というスタイルにしたのです。するとどんどん聞き取ることができるので、学習者の自信がつき、意欲も高まり、もちろん、実力も向上するというわけです。

 

モ)
なんだか私たち英会話上達研究会の教材コンセプトとそっくりですね…裏を返せば、それこそが正に英語学習の王道、基本ということですね?

 

森)
その通りです!

 

モ)
さらに驚いたことに、何と森先生はTOEICの模擬試験も作られたご経験もおありだとか?

 

森)
ええ。テストの開発も行なっていました。大手の電機メーカー向けに3本開発し納品しました。ですから、TOEICを隅々まで研究しましたよ。

 

モ)
すっ…凄過ぎですね…(汗)そんな実力の森先生ですが、特に初心者にとっての英語学習のポイントと言えばなんでしょうか?

 

森)
やはり【聴く】【話す】のコミュニケーション力が基本ですね。外国語は、文字よりも音声で学ぶのを最初にした方が良いように思います。文字によるコミュニケーションは、時間をかければ何とかなりますが、会話は一瞬の勝負ですので文字とは全く異なるスキルが求められます。それを身につけるのがポイントですね。

 

モ)
なるほど!

 

森)
もちろん、会話を理解するには、文法や単語といった基礎が出来ている必要があります。幸い日本人にとっての英語の場合、他の外国語とは異なり、中学・高校、中には大学まで、文法・単語の勉強を既に終えているわけです。ですから音声による英語に慣れ、ちょっとしたコツを修得すれば、あっという間に英会話ができるようになるはずなんです。

 

モ)
おっしゃる通りですね~!初心者はどのような点に注意して英語を学べば良いのでしょうか?

 

森)
「Thank you.」というような簡単な英語は、ネイティブスピーカーが発音しても、ほとんどの日本人は理解することが可能でしょう。そのレベルを段々、高めていけば良いという話です。ですから、ニュースとか映画とか、いきなり難しい英語にチャレンジするのではなく、易しくて短い英文をどんどん聴き取っていけるようにすること、そしてそれを自分の口で復唱してみること、これを継続していくことが効果的だと思います。

 

モ)
それでは当然教材選びも大切ですね?

 

森)
そうですね。英会話の教材なら、基本的にリスニング中心であることが必要です。そして、レベルが徐々に上がっていくような設計になっていること、それと、実際に使う英語の表現かどうかということが大切ですね。それも実際にネイティブスピーカーの話す速度で聴くことが大切です。そうでないと、実生活では役に立ちません。

 

モ)
まさに我が意を得たり、私たちの方針通りで安心しました。『英語が早すぎる』のではなく『あの速度が英語の速さ』だと気づき、ナチュラルスピードの早さやリズム、イントネーションに慣れることが大切なのだと思います。では英語上達に必要なことは何でしょうか?

 

森)
英会話ということで言うなら、とにかく練習すること、そして間違いを恐れずにどんどん使ってみることです。ほとんどスポーツと同じだと考えた方がよいですね。頭の良さは、あまり関係ありません。

 

モ)
どうすれば英語が話せるようになるとお考えですか?

 

森)
話さなければならない環境に身を置くこと。これが一番だと思います。海外に行ったら、とにかく英語をどんどん使ってみる。国内にいるならば、例えば通勤電車の中で頭の中に浮かぶことを、全て英語でやってみるとか。飛行機のパイロットと同じで、時間数が大切だと思います。

 

モ)
最後に英語学習中の読者の皆様に一言お願いします。

 

森)
今まで理解できなかった言葉が理解できるようになる、あるいは思いを伝えられるようになるというのは、スゴく楽しいことだという気持ちを持って欲しいですね。それと、日本語だと「英語が話せますか?」とつい言ってしまいがちですが、英語だと普通は、「Can you speak English?」ではなく「Do you speak English?」と尋ねます。出来る、出来ないというと、そこに評価のニュアンスが入るので、出来ないと恥ずかしい、ということになってしまいます。そのメンタリティが問題だと思います。日本人で英語が全く出来ない人はいないでしょう。

 

ですから、英語が出来る、出来ないではなく、話すか、話さないか、です。レベルはともかくとして、日本人で普通に学校教育を受けてきたのなら誰でも英語は話せば話せるんです。「自分は英語を話せる!」というメンタリティからスタートして、コミュニケーションの楽しさを味わいながら上達していただければと思います。

 

モ)
本日は貴重なご意見ありがとうございました。

 

森)
こちらこそありがとうございました。

 

■インタビューを終えて

 

森先生のお話の中に『やはり【聴く】【話す】のコミュニケーション力が基本ですね。』とありました。実はこれこそが初心者が英語を上達するための最大のポイントだと、不肖モモスケも思うのです。多くの初心者の方は 『英語が話せない!』とおっしゃいます。でも本当に『英語が話せない!』ことが、初心者のあなたに問題なのでしょうか?もちろん将来的には流暢に英語を話せるようになりたいという気持ちは充分に理解できます。でも英語初心者にとって今必要なことは『英語を話す』事ではありません。『英語を聴き取る』ことなのです。

 

相手の話す英語を聴き取ることさえできれば、極論ですが、『Yes』『No』の二つの単語さえ知っていれば、会話は成立するのです。試しに『Could you tell me where the nearest subway station is?』(一番近い地下鉄の駅はどこですか?)なんて英語を覚え、ネイティヴに話しかけてみてください。通じたとても、あなたは相手が答えてくれた、その英語が分からない はずです。『英語が話せない!』よりも『英語が聴き取れない』が問題なのですから。

 

それでは次号でお会いできることを楽しみにしております。

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