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- 使える英語表現[日本語と意味が異なる表現]
- 言語学博士
- 関東学院大学
A rolling stone gathers no moss. の本当の意味は?
日本と西洋ではいろいろと様子が異なることが多いようです。
例えば、住所を書く際に、日本では大きな単位から小さな単位へと書くのに対し、欧米では逆で、小さな単位から大きな単位へと書いていきます。
例:
日本 〒100-1010 東京都文京区元町1-2-3
欧米 1-2-3, Motomachi, Bunkyo-ku, Tokyo 100-1010
何事もあべこべ?では問題です。
次の文が正しければ○を、間違っていれば×をつけでください。
1: ノコギリを使用する場合、日本では引いて切るが、欧米では押して切る。
○/×
2: 野球では、アメリカでも日本でも「ツーストライク・ワンボール」 のように、ストライクのカウントが先に言われる。
○/×
3: 手で数をかぞえる場合、アメリカ人は手を握って、親指から広げて1,2,3と数える。
○/×
4: 「転石苔(こけ)むさず」(A rolling stone gathers no moss.)は 英米とも「忍耐」を尊重する意味で用いられる。
○/×
◆解説と正解◆
1: 「○」
日本ではのこぎりを引くときに切りますが、欧米では押す時に切ります。押してもだめなら、引いてみよう、あるいは、引いてもだめなら、押してみよう、です。
2: 「×」
最近ではTVでアメリカ大リーグの中継をごく当たり前のように観戦できます。一昔前なら考えられなかったことです。日本では「ツーストライク・ワンボール」のようにストライクのカウントが先ですが、アメリカでは「ワンボール、ツーストライク」のように「ボール」を先に言います。
3: 「○」
日本では手を開いて、親指から1,2,3のように中に折り曲げて行きますよね。欧米では逆で、手を握って、つまり、グーにして、親指から1,2,3と開いていきます。
4: 「×」
このことわざは、「職を変えてばかりいると成功しない」という「忍耐」を尊重するのが本来の意味ですが、アメリカでは「活動する人」は常に新鮮であるという意味でも用いられます。苔(こけ)がついてはいけないんですかね。そう言えば、アメリカ人は条件のいい職があれば、どんどん移って行きますよね。
- 御園 和夫
- 博士(言語学)
英語音声学、英語学専攻。英国レディング大学にて英語教授法研修、UCLA校客員研究員、クイーンズランド大学大学院博士後期課程修了。関東学院大学名誉教授。日本英語音声学会常任理事、英語面白楽会会長。テレビ・ラジオで活躍し「百万人の英語」や「旺文社大学受験ラジオ講座」など数々の英語番組を担当。著書:『コミュニケーション主体の英語音声学』(和広出版)、『必携 英語発音指導マニュアル』編集主幹(北星堂書店)他多数。