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- 英単語のイメージ
モモスケがまだ外資系の会社にいた頃。
リフレッシュエリア(自販機とか置いてある休憩室)のベンチに座って、同僚と息抜きのくだらない会話をしていた時のことです。そこに本社からやってきたアメリカ人のエンジニアが入ってきて、モモスケ達を見るやいなや、嫌~な顔をするのです。
いえ、別にモモスケがそのアメリカ人エンジニアの悪口を言っていたわけではありません。前日の飲み会で一気呑みの洗礼を見舞ったわけでもありません。
不思議に思っていると、彼はモモスケの手に握られた、1本のジュースに視線を注いでいました。
What are you drinking!!!
彼は険しい顔で、モモスケの手元を凝視しています。モモスケが飲んでいたのは、ビールでもおしるこドリンクでもありません。モモスケが飲んでいたもの、それは…!!
ポ○○・スウェット
そう!あの日本を代表するスポーツドリンクです。みなさん、もうお気づきでしょう。そう、アメリカ人の彼は、PO○○・SWEATと英語で表記してある文字を見て
「モモスケ!お前『汗』なんか飲むなよ!!おえっ!」
と思っていたのです。
あ!ちょと言い過ぎました。
もちろん彼はモモスケが飲んでいたのが『汗』なんかじゃないことくらい知っていたはずです。しかしそのネーミングに拒絶感を感じ、思わず嫌な顔をしたのです。
「梅干し」の文字を見ると、酸っぱいイメージが浮かぶように、言葉には様々なイメージがあります。英語に慣れ親しんでいない日本人が、ポ○○スウェット の文字を見ても直感的に『汗』の映像は出てきにくいものですが、アメリカ人にとって sweat はまさに『汗』!
しかも日本では、汗 は「青春」とか「爽快」といった良いイメージもあり、「いい汗流した~」なんて使いますが、アメリカ人にとっての汗は、まさしく体内から放出された水分というイメージ。決してきれいなものでは無いようです。
同じ言葉でもネイティヴだからこそ感じ取れる言葉のイメージ!この商品、アメリカじゃネーミング的に売れないでしょね…きっと。
似たような言葉に seaweed があります。
海苔・ワカメなどの海草全般に使える単語です。この seaweed の印象もメチャ悪でした。
寿司屋で使っている黒いシートは seaweed の一種だよ!なんて説明したことがあったのですが、そのときも「えっ!!!」という反応でした。モモスケはキチンと辞書で
海草 = seaweed
を調べた上で使ったので、意外なリアクションに対して理解ができなかったのです。ところがあとで聞いたら、「seaweed は、浜辺に打ち上げられた海草のイメージで、砂にまみれ、くさいニオイをプンプン発している海のゴミ」だそうです。
確かに江ノ島の海岸に打ち寄せられた海草は「ゴミ」のイメージですが、あの海草と、食品としてのワカメ・昆布は、日本人にとっては別物というイメージです。「利尻昆布」のような高級品を、みんな高いお金を払ってでも買う国民と普段は食べることのない国民とでは、自ずとイメージが異なるんですね。
たしかに seaweed は sea(海)のweed(雑草)ですから、単語の意味からしても、アメリカ人には食品というイメージがないのでしょう。
海苔の黒さのイメージが強烈で、海苔巻きが食べられないアメリカ人も多いそうですが、最近では日本食ブームに沸くアメリカですから、少しは海の雑草も食べる人が増えたかもしれませんね。
そんなモモスケですが、はじめてマーマレードを知った子供の頃、欧米人は日本人がゴミとして捨ててしまうミカンの皮まで食べるのか!と思った記憶があります。
どっちもどっちです。